大気および空気中の2.5 μm以下の浮遊粒子状物質もしくはエアロゾルを連続的に直接導入して、粒径および化学組成を0.5~10秒程度のリアルタイムに測定します。
エアロゾル質量分析法と呼ばれる分野は、多くの研究がありますが、野外観測が可能な市販機としては現在唯一のものです。粒径は空力学径として、化学組成を決定する質量スペクトルは
質量濃度として表されます。エアロゾル質量分析径のデータは、粒子を扱う性格上、大容量となるので、詳細には専門の解析ソフトウエアにより後解析するのが通常です。
標準では抵抗加熱蒸発および電子衝撃イオン化によるイオン化を採用し、土壌粒子や無機炭素以外の成分を分析します。オプションとして光散乱ユニット、無機炭素検出ユニット、
真空紫外光イオン化ユニットなどがあります。またご要望に応じてレーザーアブレーションによる蒸発、レーザー共鳴イオン化、シュタルクイオン化などにも対応します。
適用対象は大気エアロゾル観測、乾性沈着速度測定、不均一反応研究などの研究分野を始め、自動車排ガス測定、微粒子発生源調査、微粒子生成もしくは微粒子製造プロセス測定、
室内汚染測定、焼却炉排ガス測定といった産業分野にも広がりつつあります。
● 標準の電子衝撃イオン化はイオン化断面積が化学種グループと分子量(内殻電子の数)により決定されるので、ユニバーサルな検出が可能です。
エアロゾルを構成する有機物などの総量を質量濃度として測定するのに好都合です。
● 空力学レンズにより粒子線を形成させて、ガス成分を排除し、粒子を10万倍に濃縮するため高感度です。
コンパクトTOFMS搭載型エアロゾル質量分析計CToF-AMSの場合の検出限界0.5 ng/㎥(硝酸塩、1分積算)
● 残留する空気の窒素による信号は、装置定数として利用しております。
● SMPSもしくはDMAで測定される移動度径、あるいは幾何学径と比較すると、形状及び密度の情報が得られます。
● 粒径および化学組成の同時測定により得られる情報は、エアロゾルの状態のみならずその起源の推定につながります。
小型飛行時間型質量分析計搭載の最速、最高感度バージョンで、環境、プロセス用多目的機です。単一粒子について、5~6回の質量スペクトル走査が可能です。
高分解能飛行時間型質量分析計搭載のハイエンド機です。含酸素化合物や含窒素化合物の特定が容易となり、粒子を構成する有機物の解析機能が格段に上昇します。
粒径測定機能はなく、15分に1回のデータ処理ですが、フィルターバックグラウンドの採用により、検出限界9 ng/?(硝酸塩、1時間積算)で組成分析を行う常時監視型です。
PM2.5準拠仕様は本年度販売開始予定です。