高感度の吸収分光を行うための常套手段の一つは、光路長を長くするという方向性にあります。一般的にWhite型を始めとする多重反射光学吸収セルが使用されますが、セルの体積が大きくなる、
光軸調整が容易でなく、光路長が容易にわからないといった難点があります。Aerodyne Research, Inc.の独自技術が結集された非点収差Herriot多重反射光学吸収セルは、一対の2つの異なる曲率半径を持つ
ドーナツ状の凹面鏡により、セル空間中に光束を効率的に充填するように設計されており、低容量で長い光路長が得られるため、検出の応答時間が非常に短くなり、リアルタイム測定に最適です。
またミラー間距離、ミラー傾き、及びミラー回転角によりパス数が決定され、カップリングホールから指定された入射角で光を導入すれば、等しい出射角で光が出射するようにすれば指定の光路長が得られます。
すなわちカップリング位置からの単純な凹面鏡の反射と同等に扱うことができ、極めて調整が容易かつ確実であります。非点収差Herriot多重反射光学吸収セルは、標準では3~11 μmの中赤外領域を対象として
おりますが、ミラーコーティングの変更により、近赤外あるいは可視領域、紫外領域にも対応します。適用対象は実験室における分光研究、気相反応研究から大気環境計測、自動車排ガス測定、
渦相関法フラックス測定へと拡がります。
● 僅か32 cmの基本パス長、0.5 Lの容量で76 mの光路長が得られます(AMAC-76の場合)。
● 低容量のため、応答時間0.07秒と応答性の良い測定が可能です(AMAC-76、500 L/Mスクロールポンプ使用の場合)。
● 特徴的で明瞭なスポットパターンが形成されていることを確認すれば、それがすなわち所定の光路長が得られていることを保証します。
● 光軸調整が容易で、一旦合せたら多少の振動などでも外れません。
基本の光路長36 m、76 m、100 m及び200 mに対応したAMAC-36、AMAC-76、AMAC-100及びAMAC-200があります。
AMACシリーズの1/2の重量の軽量バージョンで基本の光路長36 m及び76 mに対応したAMAC-36LW及びAMAC-76LWがあります。